2015年03月18日

2015年03月18日

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Part.1

 最近は仙台市より北方向へ向かう旅が多く南の福島方面へは足が遠のいてしまっている。従って道中に訪問するそば屋も東北地方の北部に偏っているかも知れないと思い至った。故に福島県内のそば専門店を数軒採り上げたい。

 今回は耶蘇郡猪苗代町の「手打そば処まるひ」に焦点を合わせる。



【猪苗代町の地理】

 猪苗代町は福島県の大都市である郡山市と会津若松市の中間に位置している。町の東側は1700mの安達太良山、西に1816mの磐梯山、山形県に接する北端には2000m級の吾妻連峰が聳える山岳地で南側には猪苗代湖の湖面を抱えている。

従って町全体が三方から南へ下る傾斜地形となり磐梯吾妻高原を形成している。正確を期すならば安達太良山の山頂は猪苗代町内にはなく僅かに外れた郡山市と二本松市の境界に位置しているがその西側の山容が町内の地形に及んでいる事に間違いはない。町の中心部が位置する南の猪苗代湖畔周辺にのみ平坦地が開けていて郡山から会津若松を経由して新潟県へ連絡する磐越西線と国道R49、磐越自動車道の交通幹線全てがこの地を東西に貫通している。

この様な地形故に磐梯山麓を中心に大規模な宿泊施設を併設する幾多のスキー場やキャンプ施設等が集まる一大リゾート地となっている。

一段高い築堤でこの地を横断する磐越自動車道を走ると南に猪苗代の湖面と山側には高層建築のホテルと山肌に開設されたスキーゲレンデのパノラマを楽しむことが出来る。

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【行政区分】

 行政区分を見ると南東部は郡山市、北東では福島市に隣接して西側は北から順に檜原湖や五色沼等裏磐梯高原を擁する北塩原村、交通幹線が経由する磐梯町に加えて猪苗代湖岸では会津若松市も接している。北端の山岳地吾妻連峰の先は山形県米沢市となるが町内から直接向かう道はなく西隣の北塩原村から檜原湖畔を辿り白布峠を越える主要地方道r2西吾妻スカイバレーが唯一の経路である。



【猪苗代町周辺の道路事情】

 既に地理の項で触れたが町内の交通網は磐越西線の鉄道の他に磐越自動車道と国道R49が通じており更にR115とR459が分岐している。

 東西に走るR49から猪苗代湖岸で北の山岳地に向けて分岐するR115は磐越道の猪苗代磐梯高原ICへ連絡して更に北上し猪苗代町の中心部の東側を掠めて秋本湖から猪苗代湖に流れ下る長瀬川に沿うと次第に傾斜を増す高原道路の風景となる。右手に広がる田園風景を望みながら進むR115はいつの間にか長瀬川の本流を離れ支流の酸川を遡る道形となる。この右手が樋ノ口集落で本稿の主題「手打そば処まるひ」の所在地。樋ノ口の僅か先ではR459が左手に分岐するがここから先はR459との重複区間となる。

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 左に分岐するR459は磐梯山北麓の北塩原村裏磐梯高原を目指して登り景勝地の五色沼や檜原湖半を経由した後に西へ進路を執って喜多方市へ下るがその先も山間部のそば屋集落として知られる山都地区に挑みR49とは全く異なる杉木峠から新潟県阿賀町へ入る。この様に同じ最終到達地を目指しながらも既設の幹線路とは異なり山間部などに冗長な独自ルートをとって幹線路を補完する道筋は近年になって設定された400番台後半の新設国道の特徴そのもの。但し折角独自ルートで新潟県入りした直後の阿賀町で遂にR49と重複してしまいそのまま起点の新潟市に至るのだがR49は新潟市が終点とややこしい。因みにR49の起点は福島県いわき市となっている。

 R459と重複するR115は進路を一旦東に向けて母成高原に達すると右手にr24母成(ぼなり)グリーンラインの分岐が現れる。r24に入って僅か1km程を上ると中の沢温泉街を通過する。中の沢からr24を外れた山奥には沼尻温泉の旅館も営業している。r24の山道を更に南下すると郡山市に入って磐梯熱海の温泉地で磐越道、R49、磐越西線の幹線交通網に再会できる。

 r24へ分岐する誘惑を振り切って更に国道R115を進むと南北に安達太良山から吾妻山塊へ連なる高山地を土湯峠で横断して福島盆地を目指す本格的な山岳道路となる。傾斜はあるが曲がりくねりを感じない直線的な道を進むと左の谷を登ってきた道が合流する。これはr70磐梯吾妻レークラインで先に分岐したR459が登っていった裏磐梯の五色沼付近から分かれて概ね東の進路で小野川湖、秋本湖の湖畔を通過してきたもの。

道なりに進むと土湯トンネルに突入して下り基調で福島市に入るがトンネル前後には少なからぬ分岐があって複雑怪奇である。この区間にはトンネル開削以前の旧国道(現在r30)が残されており今もその沿線には多くの温泉宿が町市境界に集まっている。更に吾妻山塊を北上する磐梯吾妻スカイラインもこの山稜の旧道から接続されている。

 土湯トンネルの先も新設バイパス路らしく橋梁や桟橋を駆使した大きな曲率のカーブで豪快に山道を下り「道の駅つちゆ」に達する。道の駅の脇からR459が南に向かって分岐するので重複区間はここで終わる。道なりに進むR115は土湯温泉を経由して福島盆地に下り太平洋岸の起点相馬市に至る。R459は安達太良山東麓の岳温泉を経由して二本松へ下り東北道やR4に連絡した後太平洋側の浪江町でR6に突き当たり終点となる。



【猪苗代町のそば店】

 猪苗代町はそばの作付面積が福島県内第一位を誇るそばの産地で町内には猪苗代そば暖簾の会が組織されて18店舗が加盟している。多くの店は磐越西線猪苗代駅の北側に広がる町の中心部に集まるが他にもR49の猪苗代湖畔に3店、湖畔から北上するR115の沿線にも3店舗等が点在する。

先にも触れたが「まるひ」はR115沿線の樋ノ口地区にある。

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登り基調のR115を北上し田園風景の中を進むと右手の集落「樋ノ口」へ誘導する案内板が立っている。これに従って集落に乗り入れるがゆっくり車を進めながら周囲を観察すると「まるひ」を案内する看板が目に留まるのでこれに従うと駐車場に誘導される。



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